制御系の内容で装置を改造する場合、
この3点に気を付ければトラブルも減少していきます。
- 現物以外は信じない
- 改造前の状態に戻せるよう考慮する
- 隠れ不具合を認識する
制御系の仕事では新規の案件ばかりではなく、既存装置を改造する機会も多々あると思います。
資料と違う、変更していないプログラムがおかしくなったなど経験したことはありませんか?

そのようなトラブルのリスクを下げる参考になればと思います。
現物以外は信じない
設計資料が現物と一致しているとは限りません。
ハードやソフトで変更された内容が設計資料に反映されていないなんてこと、よくありませんか?
現物主義で実機をよく確認することが望ましいです。
このようなトラブルが予想されます。
電気図面と現物の配線が異なる
電気図面と実際の配線が違う。
図面に存在しない配線がある。
線番のない謎の線が接続されている。
端子台の番号と配線されている線番が異なる。
配線の両端に異なる線番が振られている。
実際にあった話です、改造前に線番、電線色のメモや写真を撮るなどして記録をとりたいですね。
変更のベースとしたソフトと実機のソフトが異なる
サーバに保存していたデータを元に改造したがサーバのデータが最新ではなかった。
顧客から最新のデータを送付頂いたが実は古いデータだった。
実機と照合あるいは抜き取ったデータ以外は信用しないようにしましょう。
改造前の状態に戻せるよう考慮する
機械的に改造に失敗した、或いは電気ハード/ソフト面で失敗する可能性もあります。
そんな時、速やかに元の状態に戻し何事もなかったかのようにしたいですよね!
・配線は切断しない
作業効率を考えた時、切断した場合が早いこともありますが
戻す可能性が少しでもある場合リスクとなるので止めたほうが無難です。
・プログラムのバックアップを取得する
改造する前にソフトとレジスタの内容をバックアップしておきましょう。
いざというとき、戻せなくなります。
隠れ不具合にご注意
例えば正常に動いているように見えても、
インターロックがしっかりと取れていない(取れない)状態で
タイマのようにタイミングだけで動作している装置もあります。
そこに改造で動作を変更した影響で、
タイミングがずれて不具合が顕在化することがあります。
今回詳しく語りませんが、PLCの入れ替えでスキャンタイムが大きく変わり
動作に影響が出るということもあります。
あるいは〇〇機能が使えなくなった、という場合もあります。
変更したつもりのない箇所がおかしくなった場合、このようなことが影響している可能性があります。
実は元々不具合が顕在化していたが、気づいていなかっただけなんてこともありますが笑
まとめ
3つの注意点について説明を行いました。
改造時に念頭において検討すれば改造によるトラブルも減っていくと思います。
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